【国際情勢分析】ロシアがLINEなど封鎖で観測気球 プーチン政権を揺るがしかねないネット統制

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 ロシアがLINEなど封鎖で観測気球 プーチン政権を揺るがしかねないネット統制

主要テレビ局を掌握したプーチン政権は、2012年以降の第3次政権ではネット統制に軸足を移した様だ。勿論、中東での「アラブの春」をはじめとする反政権運動で、SNSによる「呼びかけ」や「つながり」が大きな役割を果たしてきたため。
しかし、実際問題としては、ロシアを支配下に置こうとする米国からの影響を削ぐためではないか?

 アメリカはロシアを叩くことに力を注がずに中国を叩くことに全力を注ぐべきなのだが……。




【国際情勢分析】
ロシアがLINEなど封鎖で観測気球 プーチン政権を揺るがしかねないネット統制
2017.5.25 08:00



「メーデー」の1日、サンクトペテルブルクで、プーチン大統領へ抗議の声をあげて行進する人々(AP)
 ロシアの通信監督当局が今月、無料通信アプリのLINE(ライン)やブラックベリー・メッセンジャーなどを封鎖する措置をとった。プーチン露政権は、SNS(会員制交流サイト)や通信アプリが反政権運動に利用されることを警戒し、本格的なインターネット統制に踏み出しつつある。LINEなどロシアでの利用者が少ない外国系アプリを標的にし、世論や主要通信会社の出方を探っていると考えられている。

 LINEなどをブラックリストに入れた理由について、露当局は、「2014年発効の法律に基づき、情報取扱業者の登録に必要な自社情報を報告しなかったためだ」と説明している。ただ、ネット統制に詳しい露専門家、コズリュク氏は、この法律が治安・特務機関との「協力」を前提としている点を指摘する。

 同法は、「登録業者」がアプリ利用者の基本的な行動履歴情報を半年間保存し、必要に応じて治安・特務機関などに提出するよう求めている。封鎖されたアプリの運営会社は、こうした義務を受け入れられず、「登録」に応じなかったことが考えられるという。

 ロシアでの利用者が多いWhatsApp(ワッツアップ)やViber(バイバー)といった主要通信アプリには、今のところ問題が出ていない。このため、LINEなどの封鎖には、他の業者に対する見せしめや、世論の反応を探る観測気球の意味合いがあるとみられている。

 第1、2次プーチン政権は主要テレビ局の掌握に力を入れたが、12年発足の第3次政権はネット統制に軸足を移している。中東での「アラブの春」をはじめとする反政権運動で、SNSによる「呼びかけ」や「つながり」が大きな役割を果たしてきたためだ。

 近年のロシアでは、ネット上の書き込みが「過激主義」や「憎悪の惹起」といった罪に問われるケースが急増。昨年11月には、米ビジネス用SNSのリンクトインが封鎖され、今年4月には、トラック運転手らのデモで使われていた通信アプリが禁止された。

 プーチン政権は、「アラブの春」や14年のウクライナでの親露派政権崩壊といった政変について、米国が裏で糸を引いたものだと疑ってもいる。このため、「情報の安全保障」を名目に、いざというときにはロシアのネットを外界から遮断する方策を真剣に研究している。政権は20年までに、ネット情報流通の99%が国内で完結する態勢を構築することを目標にしている。

 プーチン大統領が今月署名した「17~30年の情報社会発展戦略」なる文書には、(1)SNSや通信アプリ、各種のポータルサイトをマスコミと同列にみなして規制する(2)「伝統的価値観の保護」を目的としたネット情報を普及させる(3)コンピューター・プログラムを可能な限り国産に移行する-といったことが盛り込まれている。

 近い将来、最も大きな問題になりそうなのは、テロ対策を名目に、来年7月から施行される法律だ。

 それによると、各通信会社は、利用者の携帯通話や電子メール、ダウンロードするファイルなど、ありとあらゆる通信内容を全て半年間保存するよう義務づけられる。治安・特務機関には保存情報への自由なアクセスが認められる。人権問題もさることながら、通信会社には4兆円以上に相当する初期投資が必要とされ、通信料金の大幅な引き上げが避けられそうにない。

 ロシアのネットは、その黎明期から国家統制下にあった中国と違い、比較的自由に発展してきた経緯がある。このため、反体制運動の封じ込めを狙った政権のネット統制が逆に、すでに「自由」を知る都市部の中産階層や若い世代の反発に火をつける可能性は高い。

 モスクワなどロシアの主要都市では3月末、メドベージェフ首相の汚職疑惑に抗議する数万人規模の反政権デモが行われたが、参加者の中にはネット統制に反発する人も多かったと考えられている。前述した情報保存義務に関する法律の履行が近づき、通信料の大幅値上げといったことが現実的になれば、抗議の声は今よりはるかに本格的なものとなるに違いない。(モスクワ 遠藤良介)













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