【正論】櫻田淳・東洋学園大学教授 北朝鮮情勢を見越し布石打て 早晩、日本に「金正恩後の朝鮮半島」を考える局面が来る【第二次朝鮮戦争】 

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 北朝鮮情勢を見越し布石打て 早晩、日本に「金正恩後の朝鮮半島」を考える局面が来る 東洋学園大学教授・櫻田淳

 櫻田淳・東洋学園大学教授の提案した『日本としては、朝鮮半島の北半分に関しては「中国の差配に委ねても構わない」と応じることはできるかもしれないけれども、朝鮮半島全域が中国の影響下に置かれる事態は到底、容認できまい。それは、日本の防衛線が「38度線」から「対馬海峡」に後退する事態を意味するからである。そうでなければ、最低限でも、「朝鮮半島全域が中国の影響下に入るのを認める代わりに、尖閣諸島・竹島を含む日本領には一切の脅威を与えない」旨、中国に確約させるかである。こうした一つ一つの「可能性」を吟味する議論こそが、現下の日本には要請されているのではなかろうか。』という選択はアメリカと事前協議をするべきではないだろうか?

しかし、朝鮮半島が統一されると北朝鮮の脅威のなくなった朝鮮半島統一政府が全力で「反日」攻勢を仕掛けて来ないだろうか?
日本にとっても朝鮮半島は分断されたままに放置した儘の方が地政学的にも都合が良いと思うのだが……。
勿論、第二次朝鮮戦争中若しくは戦争後には、日本人の拉致被害者を全て朝鮮半島から救い出す事は当然である。





【正論】【第二次朝鮮戦争】
北朝鮮情勢を見越し布石打て 早晩、日本に「金正恩後の朝鮮半島」を考える局面が来る 東洋学園大学教授・櫻田淳
2017.4.18 09:00

2012-08-27_Korea-South_【正論】東洋学園大学教授・櫻田淳 「対韓温情」姿勢を変えるときだ01
東洋学園大学教授・櫻田淳氏



≪中国の役割は火薬庫点火の阻止≫

 北朝鮮情勢の「緊迫」が語られている。ただし、忘れてならないのは、「火薬庫に火薬を運び込む」のと「火薬庫の中で火を付ける」のとでは、持つ意味は異なるという事実である。

 カール・ヴィンソン空母打撃群急派を含めて米国が示した直近の対応は、「有事」を想定して「火薬庫に火薬を運び込む」類いの挙であるかもしれないけれども、それでも、「火薬庫の中で火を付ける」類いの挙ではない。結局のところ、「火薬庫の中で火を付ける」のは、北朝鮮の対応である。

 北朝鮮が再び核実験に走るか、金正男氏暗殺と同様に化学兵器を再び使用するか、あるいは日米両国を含む他国領域内に着弾するミサイルを発射するかでもしない限りは、朝鮮半島周辺では「有事」は起きない。逆にいえば、この3つのどれかに北朝鮮が手を掛けた場合には、それが「火薬庫の中で火を付ける」振る舞いとなる。

 先刻の米中首脳会談の折、シリア空爆決行を含めてドナルド・J・トランプ米国大統領が習近平中国国家主席に示した姿勢の意味とは、そうした米国の対朝政策方針だけではなく、北朝鮮の「火を付ける」挙を制止する第一の責任が中国にあると伝えたことにある。



 以上に披露した筆者の観測が正しいならば、日本政府の対応として考慮しなければならないのは、次の2点である。

≪意義のある敵基地攻撃議論≫

 第1に、北朝鮮が実際に「火を付ける」挙に及んだ場合に手掛けるべき事柄については、早急に見極めを付ける必要がある。当然、その中核を占めるのは、日米同盟の枠組みで何ができるのかという議論であろう。

 たとえば、過刻、自民党は、自衛隊の敵基地攻撃能力保有を求める提言を出した。この政策展開の実際の「有効性」については、諸々(もろもろ)の評価がある。しかし、確認さるべきは、自衛隊が敵基地攻撃能力を保有したとしても、それを自衛隊が単独で行使することは考え難いということである。

 戦国の故事に例えれば、自衛隊(徳川家康軍)が米軍(織田信長軍)との関係で踏襲すべきは、織田、徳川両軍の万全の協調の下に臨むことができた「姉川」「設楽ケ原」の両戦役の様態であって、徳川軍が織田軍の十分な来援を得ないままに戦端を開いた「三方ケ原」の戦役の様態ではない。



 「清洲(織田・徳川)同盟」の下での徳川軍のように、日本が米国の「ジュニア・パートナー」であっても、対等な役割を引き受ける流儀を模索できるのであれば、敵基地攻撃能力保有に絡む議論に相応の意義がある。現下の北朝鮮情勢は、そのための奇貨かもしれない。

 第2に、金正恩体制の今後を含めて朝鮮半島の将来に係る構想は、日本としても準備しておく必要がある。米国政府は、「金正恩体制の転換を求めない」と既に表明しているけれども、それは、対朝宥和(ゆうわ)の表明ではなく、「体制転換の結果、中朝国境が混乱する事態はあえて起こさない。ただし、中国は確実に北朝鮮に圧力を加えよ」ということを趣旨とする対中督促の意味合いが濃い。

 米国政府は、「体制転換を求めない」としたところで、現状のままでは北朝鮮が望むような「直接交渉」に応じる余地は、皆無であろう。中国政府は、金正恩体制を国際社会の規範に恭順させる趣旨での「6カ国協議」の枠組みの復活を期待している節があるけれども、過去二十数年に及ぶ北朝鮮の背信に接した日米両国には、そうした政策方針は受けいれ難いであろう。



≪今後の半島の可能性を吟味せよ≫

 早晩、日本にとっても、「金正恩後の朝鮮半島」を考える局面が来るのではなかろうか。これに関して、米中両国の一部には、米中協調の上で朝鮮半島の「非核化・非金正恩化」を経つつ、朝鮮半島統一を実現させ、その後の朝鮮半島全域を中国の影響下に置くという構想が語られているようである。北朝鮮への対処を主導するのが中国であるという見地に立てば、こうした「米中談合」論はあながち荒唐無稽だともいえまい。

 しかしながら、日本としては、朝鮮半島の北半分に関しては「中国の差配に委ねても構わない」と応じることはできるかもしれないけれども、朝鮮半島全域が中国の影響下に置かれる事態は到底、容認できまい。それは、日本の防衛線が「38度線」から「対馬海峡」に後退する事態を意味するからである。そうでなければ、最低限でも、「朝鮮半島全域が中国の影響下に入るのを認める代わりに、尖閣諸島・竹島を含む日本領には一切の脅威を与えない」旨、中国に確約させるかである。こうした一つ一つの「可能性」を吟味する議論こそが、現下の日本には要請されているのではなかろうか。

 日本の安全保障政策論議には、「病が重篤になってから慌てて病院に行く」風情が漂っている。慌てた議論は、往々にして「火事見たさ」の議論に重なる。どちらも無益な議論である。(東洋学園大学教授・櫻田淳 さくらだじゅん)









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