【米中新冷戦時代の到来】トランプ大統領で根本的に変わる米中関係

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 トランプ大統領で根本的に変わる米中関係







【米中新冷戦時代の到来】
トランプ大統領で根本的に変わる米中関係
2017年2月13日 <海外情勢>

藤井厳喜(国際政治学者)


トランプ米大統領が世界を揺さぶり続けている。大統領選挙の期間もそうだったが、当選が決まって以降も、又さらに今年1月20日に正式に大統領に就任して以降も、トランプの形式も中身も型破りの政治がアメリカのみならず、世界を揺さぶり続けている。
外交政策では、特に注目すべきはISとチャイナとの関係だ。彼の第一の敵はIS、第二の敵はチャイナなのだ。筆者は予備選挙以来、トランプを見続けてきたが、彼は外交政策で何を行なうかをかなり明確に述べている。実は経済政策でもそうなのだが、トランプはかなり明確な行動計画を持っており、大統領に就任以来、物凄い勢いでその政策の実行にかかっている。よく日本のマスコミが「トランプ政権の政策は不透明だ」等と論評しているが、これは自らの不勉強を告白しているようなものである。ある意味でトランプ政権くらい分かりやすい政権はないのであり、その行動を予測することは決して難しいことではない。


トランプは「一つの中国」を認めていない

アメリカのマスコミの劣化も激しいが、日本のマスコミの劣化は恐らくそれ以上だろう。2月9日の木曜夜に、トランプ大統領と習近平国家主席が電話会談した。この電話会談でトランプが「ワン・チャイナ政策を認めた」と日本のメディアが報道しているが、これは全くの間違いなのである。一例として、産経ニュースを見てみよう。産経ニュースは、北京発で次のように報道している。
中国国営中央テレビ(CCTV)によると、トランプ氏は中国と台湾は不可分の領土とする「一つの中国」原則に関して、「米国政府が『一つの中国』政策を実施することの高度な重要性を十分に理解している。米国は『一つの中国』政策の実施を堅持する」と述べた。

そして、これに関して、何らの詳しいコメントを書き加えていない。これだけを読むと、トランプ大統領もまた、米歴代政権同様に所謂「ワン・チャイナ・ポリシー(one China Policy)」を継続するのかと思えてくる。トランプ大統領は就任に先立って1月13日、「one China Policy」を対中外交の原則にしない旨を語っていた。又、昨年12月2日には台湾の蔡英文総統と直接、電話会談を行ない、「one China Policy」を揺さぶる姿勢を見せていた。産経ニュースに限らず、これまで出た日本の報道を見ると、その報道の殆どが、トランプ大統領は「one China Policy」を前提として認めないと発言していたのにも関わらず、その前言を翻して「one China Policy」を認めるようになった、という印象を受ける。ところが、正確にニュースを読んでみると全くそうではないのだ。ホワイトハウスの報道官室が発表したステイトメントは、たった8行でそっけのないものであるが、この中で「one China Policy」については次のように述べている。
「トランプ大統領は、習近平主席の依頼に応じて、我々自身のone China Policyを尊重することに同意した。」肝心のところは、honor our “one China” policyというところである。この「our “one China” policy」というのは、当然、我々(アメリカ側)の解釈によるone China Policyということである。少し深く解釈すれば、トランプ政権の解釈しているところの「one China Policy」だと言ってもよいだろう。引用符がついているところが、また一つのヒントで、「所謂、one China Policy」というニュアンスである。

トランプの解釈によれば、「one China Policy」とは「台湾を中華人民共和国の領土として認める事」では全くないのである。これは1972年の米中国交回復の原点である上海コミュニュケに遡る。そこで認められた「one China Policy」とは何か、正確に理解しておく必要がある。上海コミュニュケにおいては、アメリカ側は次のような認識を表明した。「すべてのチャイニーズは台湾をその一部とするところの一つのチャイナの存在を信じている。そしてそのことをアメリカは認知している。」この「認知している」という表現には、英語の「acknowledge」という言葉が使われている。これは単に「知っている」優しく言えば「know」ということにすぎない。承認する(approve)とか、同意する(agree, consent)という言葉は使われていないのだ。1972年の時点では、台湾に存在する中華民国は、自らがチャイナの正統政府であると主張しており、その点で「one China Policy」を訴えていた。中華人民共和国の方も、自らが正統政府であると訴えており、one China Policyを唱えていた。両方の「チャイナ」の版図には、台湾も含まれると認識されていた。それが上記のような文言となったのである。つまり台湾海峡の両側で、全く中身の異なるone China Policyが主張されていた。双方とも、自らがチャイナの正統政府であると訴えていた。そして、双方が言うチャイナの地理的範囲には、台湾も含まれていたという事実である。そしてアメリカ政府はそのことを「単に知っている」と表現したのである。決して、台湾が中華人民共和国の不可分の領土だと承認したわけではないのだ。この原点にトランプは戻ろうというだけの話である。
こういった解釈が、アメリカ側がいう「Our one China Policy」なのである。だから、中国共産党が使う「One China Policy」の意味と、トランプ政権が使う「one China Policy」の意味は、全く似て非なるものなのだ。同じ言葉を使いながら、その内実においては、全く同意していないと言えるだろう。考えようによっては2月9日の電話会談は、one China Policyの食い違いを明らかにしたとも言えるだろう。


なぜ、このような食い違いが生じたのか

なぜ、こんなことになったのかと言えば、中国共産党の外交詐術にアメリカの政治家が欺瞞され続けてきたからである。中国共産党はone China Policyの本来の意味を少しずつズラシテ拡大解釈を続け、多くの海外の指導者にone China Policyとは「中華人民共和国の台湾領有権の承認である」と、騙すことに成功してきたのだ。これは日本の政財界のリーダーについてもあてはまることだ。
南シナ海問題で「サラミ・スライス戦術」という事が言われている。サンゴ礁に掘っ立て小屋を建て、徐々に拡大して遂にはサンゴ礁全体を埋め立て、そこに軍事要塞を築いてしまった。長い年月をかけて少しずつ目立たないような形で建設を続け、既成事実を作り上げたのである。日本を始めとする他国への領海侵犯にも同じ戦術が用いられている。徐々に、領海侵犯の頻度を高め、その地域を紛争海域とし、やがては領土と領海を略奪するという小さな既成事実の積み上げ戦術である。解釈を1ミリずつ、1センチずつ動かし、遂には土地の境界線を数メートルも数百メートルもズラシテ侵略を合理化しようという誠に狡猾なやり方である。one China Policyでも同じことが行われてきたのだ。


トランプの策略

トランプは、先ずISの壊滅を狙ってロシアと共同作戦を進めている。それが終われば次のターゲットはチャイナであることは間違いない。中国共産党がアメリカの覇権を脅かして世界の覇権国の地位を狙おうとする限り、アメリカは強烈なチャイナ・バッシングを続けるだろう。トランプはそのことを公言している。ヒラリー・クリントンが大統領に当選していたならば、彼女の基本スタンスは親中反露なので、そうはならなかったはずだ。ところが逆にトランプは親露反中である。アメリカにとって代わろうとする国家はどの国であれ、これを叩きのめさなければならないというのが、アメリカ国民一般の信念であるし、それはトランプの確信でもある。
中国共産党も着実に経済力を伸ばしてゆけば、いつかは米中関係は逆転するかもしれない。しかし、ある程度、経済的実力とそれに伴う軍事的実力をつけたと確信したのだろう。今や、アメリカにとって代わろうとする帝国主義的な意図を隠そうともしない。そこでトランプ政権としては、正面切ってチャイナ・バッシングを行なおうとしているのだ。

当面は、中東におけるIS攻撃が中心になるので、チャイナに対しては経済制裁を強化して話し合いの場に引き出そうとしている。早くも米国際貿易委員会(ITC)はチャイナから輸入される2品目をダンピング認定して高率報復関税をかける事を決定した。2月7日には、道路舗装用の素材を、続いて8日には化学肥料の硫酸アンモニウムをそれぞれダンピング認定している。矢継ぎ早の決定である。恐らくこれが、他の品目にも波及してゆくであろう。こういった形で、チャイナ経済を締め上げ、包括的話し合いの場に引き出してこようというのが、トランプの対中交渉戦略である。
その為に、2月9日の習近平との電話会談では、形式的には1歩後退し、one China Policyを認めるそぶりを見せたのである。いきなり初めに独自のone China Policyを主張したのでは、チャイナ側は交渉には出てこないので、これは交渉の場に引き出す為の餌のようなものであろう。このような複雑な駆け引きがあるにも関わらず、トランプがone China Policyを認めたと報道してしまっては、全く事の真相が見えていないことになる。いや、誤って伝えていると批判されても仕方ないだろう。冒頭にあげた産経ニュースも一か所は正確に表現しているところがある。それは「中国と台湾は不可分の領土としている一つの中国原則」と表現しているところである。これは上海コミュニケの比較的正確な言い換えと言えるだろう。つまり「台湾は中国の一部」なのではなく、中国と台湾がone China Policyを形成しているという認識である。こちらの方が上海コミュニケの原文に近いことは近い。

しかし北京発の産経ニュースを普通の人が読めば、トランプは前言を撤回して台湾は中華人民共和国の一部だと認めたのだという印象を持ってしまうだろう。肝心なのは、この産経ニュースが、中国国営中央テレビのニュースをそのままに伝えている事である。これは、国営放送だから、中国共産党政府の有利な、そして勝手な解釈を垂れ流すに決まっている。それを無批判にそのまま報道しただけでは、中国共産党の代弁者になってしまうだろう。報道機関に見識があるならば、「中国国営中央テレビはこういっているが、ホワイトハウスの発表は次のように言っている。両社の間には相当大きなニュアンスの開きがある」ということを指摘すべきであろう。産経以外のメディアの報道にはもっと酷いものもある。

 
継続する米大手マスコミのトランプ叩き

トランプは、アメリカの大手メディアと喧嘩しながら、その喧嘩に勝って大統領に当選した人物である。アメリカでは、大手マスコミのことをメイン・ストリーム・メディア、略称して「MSM」と呼んでいる。このMSMは、一部の保守系を除けば、殆どが反トランプ一色である。リベラル系のニューヨーク・タイムズやワシントンポストやCNNなどは、反トランプの急先鋒である。保守系のMSMであるウォールストリートジャーナル紙やFOXテレビなどは、親トランプ派と反トランプ派に分裂してきた。元々MSMの中では保守派は少数派である。その少数派が更に分裂したのだから、MSMの中でトランプ支持派は極めて少数であった。逆にトランプ支持者達が盛り上げ、そして支持していたのは、草の根のインターネットを中心とするメディアであった。
この図式はトランプが当選後も全く変わっていない。MSMの中でトランプ支持派はやや増えたかもしれないが、相変わらず主流派はトランプ叩きを継続している。
その為、MSMが報道するトランプ政権に関する情報は、益々現実を遊離した政治宣伝ばかりになっている。こんなことをやっているものだから、アメリカのMSMの影響力は、凋落するばかりである。一方、草の根の保守系メディアが大きな力を持ち始めている。

トランプ大統領はMSMの頭越しに、国民と直接、コミュニュケーションを取る為に、Twitterなどのインターネットの新しいメディアであるSNSを積極的に活用している。Twitterを使えば、大新聞や地上波のテレビを経由しないで直接、国民に正確なメッセージを伝えることが出来るのだ。MSMと戦っているトランプが、Twitterを武器とするのはあまりに当然である。大統領がTwitterを使って国民にメッセージを送ってはいけないという法律はどこにもないのだ。またそれを道徳的に規制することもできない。自分の頭越しにトランプが国民とコミュニケートするので、自らの存在理由を切り崩されているMSMは一層、激怒してトランプ攻撃を強化することになる。とにかく現在、アメリカのMSMを見ていたのでは、アメリカで本当に何が起きているのか、トランプ政権を巡って何が行われているのかを全く理解することが出来ないといってもよいだろう。
それにも関わらず、日本のMSMも又、アメリカのMSMが無批判に報道した内容をそのままに垂れ流しにしている。日本とアメリカのMSMという二重の歪んだレンズを通すものだから、日本国民の多くはアメリカ政治の実態について極めて歪んだ映像しか見られないことになってしまう。現実離れした幻想を見せられているといっても過言ではないだろう。
日本のメディアが腐っていると批判されて既に久しいのだが、トランプ政権の誕生で、その腐敗ぶりが一層ひどくなって我々の前に横たわっている。









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テーマ : 「ならず者国家」中国
ジャンル : 政治・経済

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