「爆買い」終了の衝撃 訪日客のハートつかむ新定石は「コト消費」

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 「モノからコトヘ」、新たなステージを迎えた訪日客ビジネスのキーワードだ!

 「モノ」より「コト」を重視する訪日客が増え、母国でも日本製品を購入できる越境EC(ネット通販)の利便性が高まる中で、日本の小売業界が今後も訪日客を取り込むためには、どうすればいいのか。

 「『モノからコト消費』というニーズに対応し、『もう1泊』滞在したくなるような魅力作りに取り組みたい」という欧米型のやり方だ。

 例えば、中国人客の人気が高いのは富士山を眺めながら山中湖でワカサギを釣るツアーなどで、欧米人客にはゲームの人気キャラクター「スーパーマリオ」にふんして都内の名所を小型カートで巡るツアーが受けているという。いずれも日本らしさを味わえる“コト消費”といえるだろう。

 JTB総合研究所の三ツ橋明子主任研究員は「たとえば、日本風のメーク術を指南してもらえる百貨店の化粧品売り場は、今も高い人気を保っている」と指摘する。それを踏まえ、目の肥えた旅行客を満足させるためには「店頭でのきめ細かいおもてなしや産地の訪問など、『ショッピング』と『体験』をつなげる工夫が効果的」だと提言している。

 『モノからコト消費』へビジネスモデルを変更していくことで、日本国内で欧米型バーケーションに対応できるコンテンツが創造されて、日本経済が活性されていくだろう。
 逆に、『モノからコト消費』後だからこそ、『コト消費 → モノ消費』を産む新しい「爆買い商品」を開発するべきである事は言うまでもない!




【経済インサイド】
「爆買い」終了の衝撃 訪日客のハートつかむ新定石は「コト消費」
2016.11.10 08:00


 「爆買い」の終焉(しゅうえん)が、訪日客ビジネスの環境をがらりと一変させている。中国人観光客の旺盛な購買意欲を当て込んできた小売り各社が、相次ぎ方向転換を決めた一方、旅行や宿泊などの業界では“日本ならではの体験”を提供して商機をつかもうとする動きが加速している。新たなステージを迎えた訪日客ビジネスのキーワードは、「モノからコトヘ」だ。


目指すは固定客

 「最初から爆買いは当てにしていない」
 流通大手J.フロントリテイリングの山本良一社長は10月26日、新しい複合商業施設「GINZA SIX」の概要発表会見で冷静に語った。銀座松坂屋の跡地と周辺街区を再開発して来春オープンする同施設の1階には、銀座で初めての観光バス乗降場を設ける。それでも「一過性」の大量購入に期待した店作りは行わないという宣言だ。

 では、中国人をはじめとする訪日客のニーズをどうつかむ考えなのか。山本社長は、“おもてなし”に磨きをかけ、訪日旅行のたびに来店してもらう「固定客化」を目指すという。

 銀座界隈(かいわい)を見渡せば、今年3月オープンした東急プラザ銀座には、都内最大規模の「ロッテ免税店銀座」が入居。銀座三越も8階を免税専門フロアに改装するなど、訪日客を意識した店作りを進めてきた。

 それらと対照的な「GINZA SIX」の店作りについて、業界関係者はこう推察する。

 「銀座松坂屋が建て替えのため閉店したのは2013年6月だが、爆買いが本格的に盛り上がったのはその後だ。そして今春には潮が引いたため、爆買いに左右されずに営業方針を決められたのではないか」


相次ぐ軌道修正

 一方、爆買いで大いに潤ってきた反動に苦しむのは家電・免税店のラオックスだ。9月の既存店売上高は前年の50%を割り込み、中期経営計画の下方修正を余儀なくされた。17年12月期の売上高目標は、従来比40%引き下げた900億円。今後の成長事業として、飲食やエンターテインメントの分野に進出するという。

 百貨店各社も方向転換を急ぐ。
 三越伊勢丹ホールディングスは日本通運などとマーケティング会社を設立し、海外へのネット通販を強化する計画を発表。8月中間決算で7期ぶりの営業減益に陥った高島屋は、新宿店(東京都渋谷区)に来春開設する空港型免税店の品ぞろえを、高級品から日用品中心に見直す。


政府が弾いたそろばんも…

 当てが外れたのは、民間企業だけではない。政府の目算も外れた格好だ。
 政府が昨年打ち出した「観光立国実現に向けたアクションプログラム」では、訪日客2000万人の達成と同じ年に、旅行消費額4兆円を目指す目標を掲げていた。背景に、爆買いへの期待があったことはいうまでもない。

 しかし今年の実績を見ると、訪日客数は10月30日に2000万人を突破した一方、1〜9月の旅行消費額は2兆8556億円にとどまり、単純計算すれば目標に2000億円ほど届かないペース。石井啓一国土交通相も「為替レートの円高方向への動きに加え、中国をはじめとする訪日客の高額消費の減少はある」と認める。
 その上で「『モノからコト消費』というニーズに対応し、『もう1泊』滞在したくなるような魅力作りに取り組みたい」と、11月1日の閣議後会見で述べた。
 具体的には、長期滞在の傾向が強いビジネス客や、欧米・オーストラリアからの訪日客を狙ったプロモーション、MICE(国際会議や、企業の行う報奨・研修旅行など)の誘致などを強化していく方針だ。


買い物は減っても

 訪日客全体の動向を見渡せば、“カネの使い方”こそ変化したものの、人数は順調に伸びている。とりわけ中間所得層が拡大するアジア諸国からの旅行客は、中期的に伸び続ける可能性が高い。

 そこに商機を見いだすのは、創業者の沢田秀雄会長が12年ぶりに社長職に復帰し、経営体制を刷新した旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)。アジア諸国を中心に今後、旅行商品のネット販売を手がける会社を買収していき、「地域密着型でインバウンドを取り込む態勢を作っていく」(平林朗副会長)方針を打ち出した。米エクスペディアなどに対抗し、そのお株を奪うのが目標だ。

 また、日本到着後の「着地型ツアー」の事業も強化する。今年3月には専門子会社を新設し、ネット経由で約7000商品の販売に乗り出した。

 中国人客の人気が高いのは富士山を眺めながら山中湖でワカサギを釣るツアーなどで、欧米人客にはゲームの人気キャラクター「スーパーマリオ」にふんして都内の名所を小型カートで巡るツアーが受けているという。いずれも日本らしさを味わえる“コト消費”といえるだろう。


王道のおもてなしを

 宿泊業界では、星野リゾートがオフィス街の東京・丸の内に高級旅館「星のや東京」を7月に開業。宿泊費は1室7万円からと高額だが、全館を畳敷きにするなど日本流のおもてなしを前面に打ち出し、人気を集めている。

 グランドプリンスホテル高輪(東京都港区)も11月1日、本館の一部を旅館風に改装してオープンした。庭園でのお迎えや茶席といった日本文化を強くアピールし、洋風の既存ホテルに飽き足らない客層を取り込むのが狙いだ。

 「モノ」より「コト」を重視する訪日客が増え、母国でも日本製品を購入できる越境EC(ネット通販)の利便性が高まる中で、日本の小売業界が今後も訪日客を取り込むためには、どうすればいいのか。

 JTB総合研究所の三ツ橋明子主任研究員は「たとえば、日本風のメーク術を指南してもらえる百貨店の化粧品売り場は、今も高い人気を保っている」と指摘する。それを踏まえ、目の肥えた旅行客を満足させるためには「店頭でのきめ細かいおもてなしや産地の訪問など、『ショッピング』と『体験』をつなげる工夫が効果的」だと提言している。(山沢義徳)













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